クリヴァル
「……ストークが戻ってきたら、４人で兄弟の家へ行ってみるか」


コクンと頷くカノーとカロン。

しかし頷いたにも関わらず、カノーが壁から背を浮かした。


「どこへ行くんです？カノー」


そのまま部屋を出て行こうとするカノーを呼びとめる。

彼女は背中で答えた。


「さっきから声が聞こえてんのよねぇ……殺してくれ、殺してくれってぇ…」


スゥっと闇夜の猫を思わす金の瞳が、きっちりと編み込んだ艶のある美しい髪色と同じ銀色に変わった。


「………」


カノーが何をしに出て行くのか、その場の二人には分かっていたが止めはしなかった。

ギィっと木の扉を押し開け、扉の脇に立てかけていた柄の長い鎌を手に取り、女は宵闇に消えていった。

その後、ストークが再び顔を出す前にカノーは戻って来たが、手に持つ鎌は少しだけくすんでいた…。
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