クリヴァル


――――――――――――――――



「…ん?目が覚めたかストーク、私が分かるか?」


ふいに降ってきた、聞き覚えのある声。


「この世の全て、どんな病気も、お前を侵すことはできない…知らなかったか?」


クスッと笑い声がした。虚ろに開いた瞳の上に、すっと手がかざされる。



「ほら、お前の方がずっと強いんだから」



「……!」



身体の痛みが消えた。

バッと身を起こすと、やはりそこには予想通りの人物がカラカラと笑っていた。



「よくやった、お前の選択は全て正しかった。新たに病魔に侵される者はもう出ない。魔が身体から抜けていけば持ち直す者も出てくるだろう」



「た、大公さま!!なぜ――」



「オレ以外が来たのでは役に立たんだろう?もう大丈夫だな」



スッと鏡面加工の腕輪を目の前に差し出された。

鏡の向こうの自分はいつもと同じ、空色の瞳をしていた。



「…あと、『大公様』はよせ。今は2人しかいない、ストーク」


「あ、そっか。じゃ、お言葉に甘えて」


「いつもやりがいのありすぎる仕事を与えてすまんな、お前たち以外に適任がいない。いつもさ。」



大公がお手上げだという風に肩をすくめた。


「国のためには仕方ない、いくらでも使ってくれていいよ」


「無論、そのつもりだ。闇の軍勢の力が増している…トレディアとやらは鉱石の姿をしていたがおそらく…」


「…うん、上級魔族(スペクタクルズ)だったんだ、きっと。すんごい結界に、下級魔族をわんさか召喚してくれたよ」





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「アークエン、貴女だけが本当の私を知っている…」 ☆★☆昔RPGツクールで作った話☆★☆ 2010/06/01 START 幼い頃、八枚羽根の【最高位魔族(スペクタクル)】に村を滅ぼされた少女『アークエン』は、瀕死のところを『イル』に救われる。 イルの強い魔力で死の淵から戻った彼女は、 憎い仇と同じ、紫の髪と瞳に変わってしまう。 『紫』が魔族の色とされる時代、彼女はその髪と瞳を隠すため神官が纏うヴェールを被り【八枚羽根】を探すために各国を渡り歩く。 その傍らに彼女を守るように寄り添うのは、さらさらとした短めの金の髪をアークエンと同様、つばの大きい帽子で隠した少女『イル』。 「…イル、本当は知りたくないの、でも―――…進まなきゃいけないのね?」

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