運命の糸
【真実の糸ー3】




密かに潜んでいた永斗は

まるで
ここに4人が来るのを
分かってたかのように
ジュースを差し出した。







「あんさん達…

ひとまずこれで
落ち着きや。

研究準備室にあった
飲みもんや。

大丈夫やで
ワイも飲んだから
腐っとらへんわ」







それも研究室の物か、
紙コップを手渡し

トクトクとつぎ始めた。







「気が利くな…

これ飲んだらさっさと
行くぜ…」







螢は注がれたコップを
受け取ると、
みんなにまわした。






「さあ、
乾杯といこか」







永斗がニコッと笑う。







「ワーイ!!

いただきまーす!」






礼子はおいそうに
飲み始めようとするのを
見て、

他の者達も
口にコップを
近付けると…







「待った!!!!!」







いきなり部屋に響く
男の声…






上から聞こえてきた…







みんなが
その方向に注目すると、
息を切らせた白井が
吹き抜けの
二階フロアから
見下ろしていた……
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