運命の糸
【脱出の糸ー28】



ホーホー…







静かな森の前に
広がるのは、

あの広々とした屋敷…







その屋敷の前に、
2つの影が立っていた。








「あそこが
フジグループの
会長がいる屋敷か…」








「…みたいだな。

あの占いババアと
腰巾着に
一泡ふかせてやる」






それは、
祐平・螢の2人であった







無事に森を抜けて、
何とかここまで
たどり着いたようだ。








ガサガサ…







不意に、
後ろから草を分ける
音がした。







「誰だ!!」







螢が振り返ると、
そこには
ボロボロになった
永斗の姿があった。






「ああ…
あんさん達…

よく無事やったなあ~」







酷い格好だ。







頭は蜘蛛の巣だらけ、

靴はビショビショ、

服は藪に擦れて
葉っぱだらけに
汚れていた。








「どうしたその格好?!

それに、
白井はどうした?」







祐平が慌てて近付くと、
永斗は息をついて
話始めた。







「森でいきなり男達に
襲われてな…

相方は
いきなり頭殴られて
倒れてしまったわ…

その人数に慌ててワイは
森の奥に逃げ込み、
命からがら逃げてきた
ワケや…」







となると白井は…?






やはり
捕まってしまったの
だろうか…







それだけ聞くと、
祐平はゆっくり頷いた。







「分かった…

話はだいたい見えた。

うちらの道も同じく
敵が居たしな…

とにかく今はゆっくり
休め…」







そう言い、

三人は一旦
休憩することにした
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