【完】甘いカラダ苦いココロ
とりあえず、すぐ電話した。なんの躊躇もなかった。何度も繰り返すコール音に思わず苛立って、メールも入れる。数分ごとにチェックしてる自分に笑えた。
何で俺、必死になってんの?
鼻で笑ってみるけどメールの着信がある度に過剰に反応する自分がいた。しばらく経っても、目当ての相手からはまったく反応がない……。
――マジかよ……なんで?
怒らせた覚えもないし、予想以上のダメージ。今まで知らなかった、そんな自分の感情をちょっと面白がってたかもしれない。
数回のメールの後、ダメ元で留守電をいれる。カッコ悪くても、みっともなくても、どうでもよかった。連絡の取れない相手にムキなってたのかもしれない。ただ、とにかくもう一度会いたかった。
あの時の気持ちはなんだったのか
今思い返してもわからない。
一晩寝ただけの女に自分から連絡取りたいなんて、初めての経験だったから。