†プティットゥ・ミニョン・アムール† 小さな可愛い愛

ザワザワ。
式も終わり、中庭では卒業生達が写真を撮り合っていた。
中庭の隅の方にあるベンチに座りながら椿を待っていると

「菫(すみれ)」

学年で何人かしかいない親友達が来た。

「悠美(ゆみ)、柴莉(さいり)、遊茉(ゆま)、
写真撮ろうよ、この制服で会うのは最後だし。」

立ち上がりながらそう言って首からぶら下げていた一眼レフを振ってみせると

「撮ろう~
実はあたしもそう言おうと思った!」

遊茉がそう言って私と同じように首から下げている、
私より少し最新の
一眼レフを振った。

いいなぁ。
もしお金があったら最新の一眼欲しいのに。

「誰か撮ってくれるかなぁ?」
遊茉が不安そうに呟いた。

確かに、
撮ってくれる人いるのかなぁ?
“変人”

と呼ばれている私達を。



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