REAL HOPE Ⅰ



階段をおりると下にはレツが待っていてくれて、私が来たのに気が付くとさっさと前を歩いていってしまった。



優しいんだか優しくないんだか…




倉庫内はさっきよりも人が増えていて、車やバイクのエンジンを吹かす音が響く



ドドドっとまるで心臓が揺さぶられるほどの爆音


「あのさ、どこに何しに行くわけ?」



前を歩くレツに問いかけるけど返事はない


爆音のせいで聞こえていないのだろうか。



「ねぇ!!これから何しに行くのっ?」



少し大きな声で叫ぶと前のレツがピタリと止まった。



「声でけぇよ。」



はぁ!?

聞こえてるならシカトするなよ。



てゆうか、このバカでかいエンジン音の方が全然うるさいでしょ!!




私は再び前を向いたレツを睨み付けながらムカムカした気持ちのまま後ろを歩いた。



「乗ってろ。」



そう言ってレツが後頭部座席のドアを開けたのはやっぱりあの車


どうやらこれはレツ専用車らしい。



なんなのコイツ
金持ちなの?


しかも結局どこ行くのか教えてもらってないし



私はそんな疑問を持ったまま車へと入った。





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