夏の夢・夏の香り・私のトナリ
「これからは、自由に生きなさい…メルの人生なのだから」


私は、その言葉に何か吹っ切れた。

「お父様…私、マール星に帰りますわ」


意外な言葉に父は動揺した様子で、チラリと眠っている真琴の姿を見て答えた…。


「メル…この人間の男が好きなんじゃろ?」

私は、ええ…と言って頷いたが付け加えるように答える。

「私はマコトが好きです。愛しています…でも、家族が大事…だからルキトと結婚します」

「でも、そんなことをしたら…国の跡継ぎをしなくてはいけない」


「わかってますわ…それに、私達は最初から結ばれない運命だったんですもの」


真琴の横顔を見て、私は答えた。
「マコト…ごめんなさい」


ポツリと呟くと、私は父と一緒に宇宙船へと乗り込んだ…。


ーさようなら…マコトー


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