葵街学園記

限界×見解


イベント。
あの男が考え付くくらいだからまともな物ではないだろう事くらいはすぐに分かる。
高世は幽にきづかれないように密やかに息をついた。

「そのイベントだかなんだか知らんが、私と律は棄権させて頂くよ。初等教育すら危うい四つ共と一緒くたにされるのは正直気分が悪い。君が存在するというだけでも胸焼けが酷いというのに」

容赦ない物言い。幽は苦笑して腕を広げる。
洋画の俳優のようだ、と律はそんな場違いな事を思った。

「棄権は無しだよ、と言うべきかな。『限界者』は強制参加だ」

二人のやり取りを律は黙って聞いている。割り込める程頭の動く自分で無い事くらいは弁えている。
デルフォイの巫女も言ったではないか、『汝自身を知れ』と。
高世の舌鋒や幽の話術に比べれば自分のそれなど児戯にも等しい。

「『は』、と言う事は一般生徒も出演するという事だな。馬鹿馬鹿しいにも程がある。私はともかく、律やお前に敵う奴などいるものか」

「随分と謙遜するね、と言うべきかな」
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