葵街学園記

「自業自得、という言葉を知らないのかね?
これだから低所得家庭の人間は困る。
言葉を覚えたまえ、言葉を。
そんなではマスゴミに振り回される大人になってしまうぞ。
嘲日新聞を鵜呑みにしたりするようになってしまうぞ」


いつものように少しも理解していない顔で、律は素直に頷いた。
高世の声は高くて鳴り響く鐘のようだ。耳に心地良く、何時までも聞いていたい気にさせられる。

――というふうに思えるのは律が律だからなのだが、頓着という概念を根本から無い律はやはり頓着無く、おもむろに寝転がった。


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