中途半端なオトコマエ!
「うん。実はぼくも似たようなことを思った。北川君の人を見る目は確かだね」

「いや。それは……わかりませんけど」

「北川君、今後、どうするの?」

いきなり、オレの将来の話だ。

「……」

「いっそ、コンビニに骨をうずめちゃえよ」

「いや……、オレは……」

「まだ、あんな夢を追ってるの?」

「……はい」

「アルバイトじゃなくて正社員になったら? そして、頑張ってお金を貯めて、コンビニ経営を始めたらいいのに」

店長によると、コンビニの本社で、アルバイトを正社員として採用する計画があるらしい。


店長の親切心はわかるが、オレは、怒りのようなものを感じた。「あんな夢」という言い方はないだろう!

……しかし、堅実な経営者になるのもいいな。


……待て、とおる。情けないヤツだなおまえは。夢を捨てるのか。


……でも、「堅実」に生きるのもいいな。


……何だと?「堅実」なんて悪魔のささやきだ。



ああ。おれは、

夢と

現実の間で

つぶれそう。





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