短編集
第一話:またこの場所で
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12月24日…

たいていの人は恋人と過ごす、年一回しかない


クリスマスイウ゛


わたしもさっきまでは彼氏と過ごしてた…


さっきまでは…


昨日の私はというと
明日着て行く服をウキウキしながら選んで、


念入りに肌の手入れをして

明日のデートに備えて
早めに寝て…


しかし実際、次の日の私はというと


バッチリと決めたメイクも涙で崩れ、


履き慣れていない
ちょっと高めのヒールで靴擦れをして、歩くたびに傷口が痛む…



そもそも何故あたしが
クリスマスイウ゛に
一人で街中を歩いているかと言うと…



『ごめん、秀哉(しゅうや)待ったー?』

よくある待ち合わせ場所での恋人のやり取り


あたしと秀哉は付き合って半年しかたっていない


だから二人で過ごすクリスマスイウ゛は
もちろん始めて


「ううん、全然待ってないよ!」


そういう秀哉の顔はどこか暗かった…


けど、あたしはあまり気にしなかった


『あっそう…よかった!早く行こうっ』


「おぅ…」
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