ユータナジー
すごい二人だ。
自分が考えた事に笑えた。
「人間、生まれるのも死ぬのも独りきりって言うじゃないですか?
でも、生まれてくる時も生きてる時も死ぬ時も、誰かに見守られながら過ごすんですよね。」
「…。」
「それが全くの赤の他人でも。
…だから、寂しいなと感じたんだと思います。」
…聞かなかった思い。
いや、聞けなかった、か。
そんな彼女の思いを聞くのを母親に先越されるなんて。
「じゃあ、これからは寂しくないわね。」
それだけ母親は言った。
準備が終わった彼女はこっちに来て、隣に座る。