bitter sweet
「あ、ああ。俺の部屋こっち」

 雪和も俺も目を合わせる事なく、俺の部屋に移動した。

「わ……なんか、和紗の部屋~って感じ」

「ほとんど全部マコトさんが揃えてくれはってんや」

 いつもやったらドアは閉める……けど、お互いまだ気まずいし、開けっ放しにしとこ。

「へー、凄いねマコトさん。和紗の事わかってるんやね」

「でも初めて会(お)うたん、つい最近やぞ」

「そうなん? 私てっきり昔っから2人、仲エエんやと思ってた」

 そういえば……俺が青色好きなん、マコトさん知ってたんかな。最初にこの部屋入っても、何も違和感感じひんかったし。

 今まで何も疑問に思わんかった。仕事柄、センスがエエんやなってしか考えてなかった。

「あッ! ギターがあるッ! 和紗弾けるん?」

 壁に面してあるギタースタンドにブルーのアコギ。お年玉とこづかいを貯めて、やっと手に入れた俺の宝物。

「まぁ、一応な」

 とはゆーても、めっちゃ簡単なコードで作られた教則本レベルやけど。

「え~! 凄いやん、弾いて弾いてッ!!」




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