人の恋を笑うな
『私ね、この部屋にお客様お招きするの初めてなの。初めてのお客様にはこのカップって決めてて…

後夏ならミントティーかハイビスカスティーにするのも決めてた!

今日は仕事休みの日でこれから何しようかなって考えてたとこなのよ』


『お仕事何されてるんですか?』


『レストランの厨房で働いているの。昔ね、料理の専門学校に通っていてね、レストランで働くの夢だった…私みての通り鈍臭いから…他の仕事全然できなくて

スーパーでレジしても、とろいからすぐクビ…ウエイトレスも毎回料理こぼして、これもクビ…とにかく私ってホントにダメ女なのよね』


『でも料理できるのはすごいですよ』


『そうなのよ…武人先輩もそういってた。なんで厨房の仕事探さないだって。だから今の店は先輩の紹介なの』


武人先輩?


『あ、私ばかりしゃべってごめんなさい!武人先輩は高校の時からの付き合いで、剣道部の先輩後輩の仲なの』


なんだ…だから先輩かぁ。でも、ねねさんおもしろい


よくしゃべるけど、おっとりしていて心地よいトーンである


『これ先輩に渡しといてくれますか?』とまた封筒を預かった


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