変わりゆく空の色

「バカ。なんか怜雄、声変わった」

てか、性格も変わった。

「え?そりゃ、男の子は声変わりを

しますからね♪」

「性格も変わるの?」

「俺、変わった?」

(俺にも電話させろー!)

(そろそろ変われハゲ!)

「後ろ、うるさい」

「ごめんごめん!ちょ、お前らうるさい!

誇叶が怒ってる!」

(まじで?やべ)

「私、歌いたいんだけど」

「今歌って♪」

「ガチで言ってんの?」

「早くー」

困った。

「・・・お金とるよ」

「それは嫌だぁ!あ、ちょお前バカ!」

「もしもし?」

違う人の声で「もしもし」が聞こえた。

「誰?」

「え、怜雄」

は?明らかにさっきと声が違う。

さっきのも怜雄じゃない気がするけど。

「切るよ?」

「ちょっと待って。俺吉原多樹

(よしはらたき)」

「そうなんだ」

「歌って」

「え、ほんとに嫌だ」

「なんで?」

「歌ったら切る?」

「それはわかんない」

なんなの・・・私だってお金払って

カラオケきてんのに。

「何、歌ってほしいの?」

「じゃあね、AKB48♪」

また違う声になった。

きっと最初の人だ。

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