second〜切ない恋の物語〜
そう思えば思うほど、

心が痛いのは何故?





涼さんは、海沿いに出来た小さな遊園地へ行こうと言った。

初めての夜の湾岸線。

右は海で真っ暗だけど、左は夜景が続く。



「うわ〜綺麗だね。」

「でしょ〜。いつも下道ばっかりだしね。喜んでくれた?」

「うん!ありがとう。」



「そうそう、湾岸線にはこの曲ね。」

カーステを操作する手の甲には、

男らしい太くてしっかりした血管。

こういう手、好き。

男を感じる。




カーステからは、アップテンポな曲が流れ始めた。


「聞き覚えがある…」

「氷室京介だよ。」

「あ〜ぁ」

「合うんだよな、湾岸線に。」



やっぱり、涼さんは、

やんちゃしてたんだなーと確信した。




「莉奈?」

「ん?」

「ここおいで。」

左手で私の頭を引き寄せ、自分の左肩にのせた。

私は、ゆっくり目を閉じる。

涼さんの体臭。

タバコの匂い。

以外にガッチリした上半身。

全部、私のモノ。

全部、私だけのモノ。




何で彼女いるの?

私だけを愛して。

私はこんなに好き。

左手で涼さんを抱きしめる。

涼さんは、私の頭を撫で、おでこにキスをする。


「運転しずらくない?」

「大丈夫だよ。」



片側四車線もある湾岸線。

しばらく続くまっすぐな道。


二人のこれからは、こんな風にまっすぐですか?
< 106 / 200 >

この作品をシェア

pagetop