second〜切ない恋の物語〜
[4]誘い
バイトにも慣れはじめ、

生活のパターンが出来上がっていた。

基本は大学帰りにバイトだけど、

授業が午前で終わりの時は
早めにバイトのシフトを入れている。



「莉奈ちゃ〜ん」

「はい?」

「これ、試食してみて。」

「新しいケーキですか?」

「そう。最近流行りの十穀米を使ったケーキ。」

そう言って、店長は自慢げにケーキの乗ったトレーをつきだした。


一口食べて、ウッとなる。

美味しくない…


「どう?いけると思うんだけどなぁ〜」

店長は、美味しいという言葉を待っているみたい。

何かいわないと…

モグモグしながら、

傷付けない言い方を探してみるけど、

出てこない。
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