second〜切ない恋の物語〜
行きたかった地元では有名だというイタリアン料理店は、満席。

結局、すぐ入れるラーメン屋に変更になった。



「同じ麺だしね。勘弁。」

「ううん、ラーメンも大好きだからいいです。」

「ね、その敬語やめない?」

「…けど、先輩だし…年上だし…」

「野上さんっていう、さん付けも気に入らないなぁ。」

「他の人も、さん付けだから。」


私はガンとして、さん付けや敬語をやめるとは言わなかった。


「お水いる?」

「はい。」

コップを野上さんに向ける。

「じゃー、敬語やめる?」
涼さんは、水を入れかけて途中で止める。

「無理。」

そういって私は、コップを引き戻した。



私の頑固さに呆れたのか、野上さんは、残った汁を一気に飲み干した。
< 23 / 200 >

この作品をシェア

pagetop