先生…ごめん、愛してる。【完】
  


「いやぁ!!」


「来いっ!!」


 羚音は、下から聞こえる声に驚いて2階からそっと下を覗く。


「いいから来るんだっ!!」


「あぁっ!!」


 母親が父親に無理矢理連れ出されて行く。


「(…何、なに、ナニ)」


 羚音は、黙って見ていた。


「羚音っ!!」


「はいっ!!」


 久しぶりに父親から名前を呼ばれた。


「じゃあな。」


 呆気ないくらいの言葉と初めてかもしれない“笑顔”…を見て驚いた。

 父親は、出て行った。

 羚音は、床に座り込んだ。


  
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