先生…ごめん、愛してる。【完】
  


「羚音、どうした。」


 何となく様子のおかしい羚音に声をかける。しかし…羚音は、答えない。


「羚音?」


 棗の声が羚音を苦しめていた。

 棗の気持ちを知った今…まともに会話さえ出来ない。
 自分の無神経さに嫌気がさしていたからだ。


「どうしたんだ?」


 聞くが羚音は、答えずに部屋に戻ってしまった。


「ん?」


 棗は、全く羚音の態度が解らなかった。



「…許して……」


 羚音は、ベッドに寝転びながら言った。


 羚音は、まだ知らなかった。更なる事実を…。



 
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