先生…ごめん、愛してる。【完】
  

「羚音ちゃん!しっかりして!!」


 看護師は、羚音に声をかける。しかし…羚音は、まぶたを閉じる。


「(…先生……逢いたいなぁ…これで……終わりの命なら…最期に……もう…一度……)」


 薄れる意識の中羚音は、城を想っていた。


「待ってて、せんせい呼んでくる。」


 看護師は、走って病室を出て行く。



「どうした、俊也くん。」


「はい。もっと早く来れたら良かったんですが…下の子が風邪を拗らせて入院していて…ってこんな話しは、いいんですよ。」


 俊也は、我に返る。


  
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