先生…ごめん、愛してる。【完】
  

 真矢は、医師を止めた。


「いいんですか?」


「はい…。もう…楽にしてあげてください。」


 真矢は、椎を抱きしめてなんとか言った。


「解りました。」


 医師は、心電図と触診で死亡を確認した。


「せんせい…ありがとうございました。」


 真矢は、小さく言った。
 医師と看護師は、一礼して病室を出た。


「羚音……ごめんね。」


 なにもかもが……手遅れだった。
 もっと早く…羚音の両親の“遺書”が見つかれば……良かったのに。

 一人で…淋しく羚音は、逝った。


  
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