先生…ごめん、愛してる。【完】
‡第2羽‡ 独りぼっちのイエ
  

 扉を開けるとき…最高潮の緊張が押し寄せる。

 機嫌は、いいか…
 殴られないか…

 それをいつもいつも扉の前で考え緊張する。


 カチャ


 怖いくらいの静けさだった。


「ただいま…」


「んっ、ぅんっ、…さけ……お酒………」


 リビングからアルコールの臭いが漂ってくる。


「……お母さん…ただいま……。」


 とりあえず声をかけて中に入る。


「…お酒……お酒…」


「ただいま…」


「お酒…お酒……」


 母親は、言って羚音の横を通り過ぎる。


  
< 7 / 231 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop