先生…ごめん、愛してる。【完】
  

 棗は、言う。
 羚音は、首を振る。


「羚音!」


「…棗……ダメなの。」


 羚音は、頑なに拒んだ。


「(あの子は、棗が好きなの!)」


 羚音は、棗を見つめて心で叫んだ。


「ん、どうした?」


「何でもない。」


 羚音は、言ってベッドに寝転ぶ。


「おい、羚音!」


「棗…ありがとう。」


 羚音は、起き上がって抱き着いた。


「羚音…なんだよ。」


「……何でもない。」


「羚音…」


 棗は、仕方なく背中を撫でた。


「(……苦しい。先生……)」


  
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