ねぇ、笑って。

「早く!今お医者様が見てくださっているけど、危ないかもって!」


千鶴…?

俺の前から本当に消えるのか?

なぁ、千鶴?



「何やってるの!?早くしなきゃ千鶴が!千鶴が!」


そうだ。


俺はまだ止まっちゃいけない。

一番傍にいたかったのは、千鶴の姉貴に違いない。


なのに、俺に知らせるためにわざわざ離れてきたんだ。


「千鶴はどこですか?」


「こっちの手術室よ!」


病院内は走ってはいけない。

そんなことくらい知ってる。


でも、今は気にする余裕がない。


千鶴!死ぬな‼

 
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