家に住みついた猫男
ヒーロー気取りの猫男

◆携帯と明日



「ちょっと、ここ出るね」


「...ん。分かった」




話が長くなりそうだから、猫男にそう伝えておく。




玄関に行っても、鳴り続く携帯。


...そんなに大切な用事なのかな...?




一つ深呼吸をしてから、電話に出た




「はい...」




―――「あ、菅さん!?よかった...」


本当にホッとした様な声。


「急にどうしたの?」




"大変なんです"と、一人、電話の向こうで焦っている彼



「加賀君、まず、落ち着こうか」


―――「は、はい...」




「はい、深呼吸」



ちょっと冗談で言ったつもりなのに、スーッと、息をする音が聞こえる。


そんな加賀君にちょっと笑ってしまう私は、おかしいだろうか?



...でも今はそんなことよりも、





「で、用事は?」



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