本当に大好きだった
―英紀said―


俺が女子をかばうのがよっぽど珍しかったのかアキがしつこく突っ込んできた


確かに今までなら原野が何を言おうと黙ってたし,俺と少し仲良くなった女子を原野がいじめてても助けたりなんかしなかったけど今回は少しイラついた。


「浅倉君ありがとう」


「いや,別にいい。俺のせいだし」


「でもっ,原野さん浅倉君の事好きみたいだし・・・」


「俺は好きじゃないし。あと浅倉君て言うのやめろ」


「え?」


「英紀でいい」


「英紀君?」


「呼び捨てでいい。」


「分かった」


「ちょっといい?そこの二人~」


「何だ馬鹿?」


「バカとは何だバカとはっ」


「馬鹿も漢字で書けないやつに馬鹿って言って何が悪い」


「あ~も~,そんな事はどうでもいいの。」


「どうしたのアキ君?」


「それだよそれ」


「えっ?」


「さくらちゃんも絵梨菜ちゃんもアキ君じゃなくて俺も英紀みたいに呼び捨てがいい」


「へっ」


「アホか」


「だって英紀だけずるいじゃん」


「あははっ,分かったじゃあ今度から呼び捨てにする」
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