SEASONS
「だっ、ダメじゃない!」


不安が大きくなり始めた時、慌てて返事をしてくれた大野くんは、あたしの手をギュッと握った。


受け入れてくれたことにほっとして笑顔を向けると、顔に影が落とされた。



「こっ、こんなところで……!」

「かわいかったから」


すぐに離れて笑顔を向けられた。


あたしはきっと、顔が真っ赤だ。



「とりあえず駅前でいい?」

「う、うん」


熱い顔を空いた手で覆いながら歩き出した。
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