いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「原田さん、土曜日って、久世と一緒だったんだ…」

「あ、いや、その…」

言い訳できずうろたえていると、「おい菜都!!」と、久世玲人がイラついたように声を上げ、私を呼んだ。


「は、はい…!!なんでしょーか!!」

「お前からもコイツになんとか言えよ!!」

埒があかないといった感じで、サエコを指差している。


「なんとか、って言われましても…」

私がなんとか言ったところで、サエコにさらに火をつけるだけだ。

もうすでに、怒りの視線をメラメラと送られてるのに…。


ビクビクとサエコを見ていると、「なにガン飛ばしてんのよっ!!」とぐわっと睨まれた。

ヒッと身体を仰け反らせると、サエコはつかつかとこちらにやってくる。


ご、誤解よーっ!!ただビビッて見ていただけなのに…!!


「あんた、いつまで玲人にしがみついてる気でいるのよ!!」

「しがみついてるわけじゃ…」

「いい加減にしなさいよ!!」

「うっ…」

サエコから理不尽に怒られ、反抗できる隙間も勇気もない。

大人しく怒鳴られていると、久世玲人が見かねた様子でこちらにやってきた。
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