いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
な、何で久世玲人がここにっ!?

ベッドの上でうろたえていると、待つ間もなく智樹と一緒に久世玲人が入ってきた。


「お、目覚めたか」

なんて言いながら、部屋にズカズカと入ってくる。

一応女の子の部屋なんだけど、遠慮ってものはないんだろうか。


「な、何で久世君が…こ、ここに…!?」

「覚えてねえの?保健室でぶっ倒れただろ。起きねえから、家まで連れて帰ってきた」

「ええ!?」


保健室でぶっ倒れた…!?

ぶっ倒れた…!?

保健室で…?


……そうだ、私、保健室にいたんだ。

悪い連中に絡まれて…で、久世玲人が助けてくれて…。


ここで、ようやく保健室での出来事が走馬灯のように頭の中を駆け巡ってきた。

抱き締められたことも、キスされたことも、それを佐山君に見られたことも…。


お、思い出した…!!私ってばなんてことを…!!


「ひゃ…ひゃあ…ひゃあぁぁぁあっ!!」


とんでもない恥ずかしさがこみ上げ、久世玲人の前にいることも居たたまれずフトンとガバッとかぶって身を隠した。


「なんつー声出してんだよ」

そんな私の行動がおかしかったのか、久世玲人は笑いながらフトンを引き剥がそうとする。

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