いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「な、な、何するのっ…!!」

思わず声を上げると、久世玲人はやっぱりおかしそうに笑いながら私を抱き締め直す。

「何って…。分かんねえなら、もう一回する?」

なんてことを言われ、私の顔はまたさらに赤くなる。


しかも、想いを告白した直後。

本来なら、顔を見るだけでも心臓がばくばくするのに。

どうしたらいいのか分からず、あわあわとパニックになっていると、久世玲人は抱き締めたまま、私の顔を覗き込む。


「なぁ、……俺のこと、マジで好き?」

「……っ!!」

またっ!?

さっき、散々言わせたのにっ!?何度も言えるほど、そんな軽いノリで言えないよっ…!


「な、な、何でまた確認するのっ…!?」

「聞きたいから」

「だ、だからって…!」

私ばかり好きだ好きだと言わされて、不公平じゃないっ!?

しかも、久世玲人からは何の返事も聞かされてないというのに。

ただ、キスをされただけ。



「うぅー…また言うの…?」

悔しいやら恥ずかしいやら、泣きそうなほど真っ赤な顔で久世玲人の腕をぎゅーっと掴むと、久世玲人は「ぶはっ」と噴き出す。


「ああ、実感湧いてきたかも」

「じ、実感って…」

「俺のこと好きだっていう」

「……っ!!」


いや、だからっ、そんな恥ずかしいこと平然と言わないでよっ…!!


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