いつわり彼氏は最強ヤンキー[完]
「久世君ってば!」

無視を続ける久世玲人に強く言うと、ようやく目を開き、こちらに顔を向けた。


最高に機嫌が悪そうだ…。

うざそうに眉を寄せている。いつもより、かなり深めに。


「うるさい。ほっとけ」

「いくらなんでもほっとけないよ!手当てだけでも…」

「こんなの慣れてる。どうってことない」

「でも…!!」


お互い譲らず攻防が続き、だんだん私も腹が立ってきた。


久世玲人め…。なんて意地っ張りっ!!

こんなに私が優しくしてるのに!!


「来い」「行かない」の繰り返しを続けていたが、強行突破だ。


寝ている久世玲人の手を掴み、グググッとその体を無理やり引き起こした。


……私も意地になりすぎてたとしか思えない。

< 88 / 446 >

この作品をシェア

pagetop