初恋~一生で一度の恋~
あなたとの出会い

初めて会ったのは10年前の事だった

幼稚園年中の春休み。テレビを見ながらゴロゴロしていた

その時、
「ピンポーン」
家のチャイムがなった

「はーい」
母がエプロンで濡れた手を吹きながら玄関のドアを開けた

「すみません。道路の向かい側に引っ越して来た、岩本と申します。あの、宜しくお願いします」深々と頭を下げたその女の人は、母と同じ位で綺麗で背が高く、華奢な人だった

「あっ、周藤と申します。わからない事があったら何でも聞いてくださいね。」
いつになく母が優しく言った

「ありがとうございます。親切にしていただいて。あの…けれ、よろしかったらお召し上がりください」

「あら、わざわざありがとうございます。すみませんねぇ」
母はお菓子が好きな訳で貰った箱の袋が一流菓子屋の物だったので、声のトーンが上がっていた

「いえいえ。ほら、架くんも挨拶しなさい」
お母さんらしき人の後ろに恥ずかしそうに隠れていたのは、私っ同じ位の男の子だった。その男の子は下を剥いたままぺこりと頭を下げた

「ほら、晴香も」
母に押し出された私はぺこりと頭を下げ、その後、男の子と目があった。

話しは盛り上がり、架と言うその男の子は私と同じ幼稚園に入る事になったそうだ。


私はこの時、この『架』とやらのせいで、悲しかったり、苦しかったり、泣いたり、悩んだり、笑ったり、喜んだり、嬉しかったり、感動したりするなんて思ってもみなかった。
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