べいびー☆ぱにっく



――◇◆――


「あぁ、もぉー!ゆき君もひかるも遅いよぉ。」




待ち合わせ場所に戻ると、母さんがほっぺを膨らまして仁王立ちしていた


―仁王立ちって…


「勝手に別行動にさせといて、どっか行って!よく言うよ!」

「まぁ、酷いわ。お母さんは大事な用事があったのに…うぅ。」



「…嘘泣きなんて通用しないっ。」

「もう。ひかるったら可愛くない子ぉっ!

あら、ゆき君。どうしたの?その顔…」


母さんはこっちを見る


やば…


「…い、いや。別に…」


「分かったわ!
ひかるが不良に絡まれてそれを助けて傷を負った。」


―ギクッ!!




み、見られてたのか?

「いーわね。その展開!そうよ、最近は悲恋ものが流行ってるけど…たまにはこんなありきたりな展開あってもいいじゃない!


暗すぎる内容ばかりで平成の女性たちは、今!本当の純愛を忘れかけてるっ。」

―な、なんだ?


「次の小説は、こんなピュアピュアなラブストーリーで決まりだぁ!」




―?????


いや、なに起こったんだろ?
めっちゃガッツポーズ決めてますけど…




ふと、ひかる達を見ると至って冷静沈着。


「お前、この状況を見てもなんとも思わないのか?」

「あぁ、そっか。ゆきは免疫ないんだもんね。」


そりゃービックリするよ。―とうんうん頷くひかる


「いつもこうなんだから、気にしない方がいいよ!」


い、いつも…なんだ。


「ただし!巻き込まれたら最後だけどね☆」



…は?


俺はこの言葉の意味を理解していなかった…


後に、大変なことになることも分からずに…




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