きみといつまでもいたい

「ミルクは……、ミルクはどうしてる?

お前がここに来たってことは、ミルクに何かあった?」


「そこかよ……」


水谷は聖夜から手を放すと、そのまま力無くうな垂れた。

二人間には、誰の付け入る隙もない強い結びつきが確かにある。

己の苛立ちだけが空回りしていることに気付かされ、彼は自分の怒りの矛先を挫かれた。


「まったく二人とも、俺の気持ちも知らないで……

ミルクはどうもしていない。

安心しろ。

寧ろ、どうにもならないからイライラする。

ミルクはあんなにお前に会いたがっていたのに。

そのお前が帰って来たっていうのに。

何で会いに行こうとしないんだ……」


水谷は聖夜を睨みつけながらそう呟いた。

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