きみといつまでもいたい

「ミルク……、?」

ある日、聖夜が稽古の後に美留久の部屋を訪れると、美留久はピアノに突っ伏して眠っていた。

連日の猛練習できっと疲れているに違いなかった。

見ると手の指には薄っすらと血が滲んでいる。

爪が割れたのだ。

聖夜は、そっと美留久の身体を抱き上げると、その身を部屋の隅にあるベットに寝かせた。

「……ん、セイ?」

寝かせた僅かな振動で、美留久の目が覚めた。

「ミルク、今日はもうお終いにした方がいい。

爪が割れて、血が出てる。

酷くなると大変だ」

聖夜は目覚めた美留久をそのまま寝かせようと、言い聞かせるようにそう言った。

「駄目よ、まだ今日の分の課題が終わってないの」

身を起こそうと付いた手に、聖夜がそっと自分の手を重ねた。

「駄目だよミルク、もう弾かせない。

爪の手当てをしよう」

半身を起こした美留久の身体に、聖夜の大きな影が重なった。
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