きみといつまでもいたい
「では、何故……
そうだな、きっとその理由はあの事故に隠されている。
今も君を苦しめる、あの事故の記憶の中に。
もう一度、一から探してみよう。
君を美留久ちゃんから遠ざけようとする、その罪悪感の源を掘り起こすんだ。
根こそぎな」
その男の語気に、聖夜の顔は苦痛に歪んだ。
今でも夢に見る、あの事故の記憶。
聖夜の罪の意識は、確かにあの事故を発端としているのかもしれない。
恐怖と痛み、そして例えようのない喪失感。
それはすでに乗り越えてた筈ではなかったのか?
聖夜の内にくすぶる罪の意識は、まだその中に留まっているのか?
その源を掘り起こすことは、今の彼の存在をも危うくする自虐的な行為ではないのか?
(また、あの苦しみを味合わなくてはならないのか……)
絶望に近い呻きが聖夜の中からもれた。
それでも、その男は、聖夜にその荷を課したのだ。