先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
甘い夢の終わり
座薬のお陰か、はたまた暴れて汗をかいたせいか僕の風邪はすぐに快方へ向かい、また書斎でPCのモニターとにらめっこをしながら更新を続ける。


現在の順位は10位、これなら大賞での審査を受けられると安心したが、ふとある事が気になる。


ランキングへ入っている作品だけが審査されて、ランク外にある僕が読んでも良作だと思える作品が放置されてしまう事が。


「亘理、また手を休めているな! 」
「すみません、ちょっと気になって」
「分かってる、ランキング外の作品が審査されないって事だろ」
「その通りです」


さすがはケー小の未来を憂う編集者の女王様、下々の思いをよく汲んで下さると感心する。


ああまたこんな考え方を、折角思いが通じたというのに。


長い間調教され続けたが故に芽生えた、この下僕根性が情けない。


「確かにランキングに入っている作品にはテーマに沿っちゃいないわ、内容も不適切だわっつーモンが多い、まあそれは落とすからいいとしても肝心の良作がそのせいで入らないのが悩みだ。あたし達も」
「人気投票だからそうした作品が入り易いのも分かりますけど、でも、良作を何とか入れる方法は無いんでしょうか? 」
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