先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
生々しさと生臭さ
『おう、今から渋谷のジョニーズに来い』
「え、僕、本屋のバイトがあるんですけど」
『バイトぉ? そんなのどーでもいいだろ、チャッチャと来いや! 』
「分かりました、行きます」


土曜日の午後に呼び出されたのは、渋谷のファミレス。


そこには既に宮澤さんと数人のギャルが座っており、ギャアギャアと大騒ぎをしていた。


「おっつー」
「キャー、誰このコ」
「あたしのオトコ、んなわけないでしょ。ただのライターだから気にしないで」


何でこんな場所に、そしてこんなメンツと……。


そう思いながらもとりあえず空いている席へ座ると、宮澤さんはここに至る経緯を話してくれた。


「道端でナンパして来たんだ、このコ達を」
「そうそう、いきなりオネーさんから声掛けられて驚いたッスよ」
「でも淀川出版のヒトだからさぁー」
「色々聞いちゃって下さい、何でも言いますよぉー」


何でもねぇ、あんまり聞きたくないなあ、厚化粧に加えミニスカから足丸出しな上まだ暑くもないのにキャミソール一枚でヘンな色気を放っているから明らかに家出少女っていうカンジだし。
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