先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
「ねえ臣司、悪いから行きましょうよ」
「そうだな、それじゃ」


優しく甘い声で彼女に促され、原さん達が目の前から消えるとお腹から大きなため息を吐く。


その時、ピクッと宮澤さんが動いたような気がしたが、すぐにまたグニャリと力を抜く。


きっとコースターに乗って落ちる瞬間の夢でも見ていたのだろう、僕の楽しみのせいで可哀想な事をした。


少し反省し、そのまま1時間程が過ぎた頃、宮澤さんがムクッと起き上がる。


「よく寝た、やっと気持ち悪いのが収まった」
「すみません、色々と。あの、この後どうしますか? 」
「メシでも食って、パレード観て帰るんだろ」
「はあ」


良かった、パレードまでは居てくれるのか。


安心して夕食を摂る為にちょっといいレストランへ行き、ご馳走をすると告げると先ほどまでのグロッキーさはどこかへ飛んで行ったようで、アレコレ注文された。


「ロブスターのグリルに海賊風ステーキ、それとスペアリブ」
「それ全部1人で食べるんですか? 」
「当たり前だ! しかし酒も置いてないなんて信じられないなここは」
「夢の国だからお酒なんか飲めませんよ」
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