先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
ここの隣にあるテーマパークなら飲酒は出来るけれど……と溜息をついていたら、


「隣の方は酒が飲めるんだよな、シン……いやダチと行った時に飲んだっけ」


と呟く。


その『シン……』という名前はきっと原さんの名前である『臣司』だろう、やっぱり2人は何かしら関係があった、いいや交際していたに違いない。


でも深く掘り下げて聞くには余りにも状況が悪い、さっき寝ている間に新しい彼女を僕は見てしまったのだから。


「帰りにどこかで飲んで行きませんか? 僕がまたオゴりますから」
「ふん、まあいい」


出された食事をペロリと平らげた後、パレードを鑑賞。


いつ観ても煌びやかで賑やかでそれでいてロマンに溢れるな、と感心していたら横に立っていた宮澤さんが何度か目を擦っているのに気付く。


やっぱりあの瞬間、起きていたんだ。
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