大好き‥だよ。
しばらくして、2班対3班の試合が終わった。

『じゃあ2班はベンチで休憩、1班は中央に集まれ』

先生の掛け声がかかり、1班のみんなは移動を始めた。ベンチに声が届かない所まで離れたとき、俊チャンの隣に駆け足で歩み寄った。


『俊チャン‥
和樹君、先生に何て言われたの?』

俊チャンは一度ベンチの方を振り返ってから私を見た。

『あの落ち込みようはサッカーが出来ないからだよ。つまり、1時間目は見学だって言われたんだろう。俺だって野球取り上げられたら、きっと今の和樹みたいになる‥』

『‥そっか。
でも、2時間目も体育だし‥ね。もう少し我慢すれば元気出してくれるよね?』

『‥だといいけど‥』

俊チャンは「うん」とは頷いてくれなかった。

和樹君が落ち込んでいると、周りのみんなからも笑顔が消えてしまう。俊チャンも例外ではない。俊チャンに笑顔を取り戻すには、和樹君を元気付けるしかない!和樹君の元気の源は‥「あれ」しかない。

私は、和樹君を元気付ける作戦を頭の中で考えた。
< 109 / 270 >

この作品をシェア

pagetop