アタシタチノオウジサマ
 次の日、光君はベンチに来なかった。

 その次の日も次の日も…。

 光君のこと好きだって気づいたのは、光君が姿を消してから。

 どれだけ自分が彼のことを大切に思ってたかが実感できた。

 そして、『駆け込み訴え』の話をしたとき、本当は言いたいことがあったんじゃないかって思った。

 力になれなかったこを悔やんだ。

 もしかしたら、もうこの世にいないんじゃないかなんて考えたこともある。

 ますます自分の力不足に落ち込んだ。





 そんな小さな恋から2年とちょっと。

 光君がどこで誰の隣にいようと、せめて生きていてほしい。



 彼女になんてなれなくていい。

 ただ生きて、幸せに笑ってればそれでいい。




 なんて、クサいこと考えちゃうもんだな。

 光君のこと忘れるくらい、素敵な恋ができるといいな。

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