光~夢見るホタル~
どうすればいいのか、わからなかった。
 せっかくの夢の世界にいたのに、現実に戻ってしまうような気持ち。
 悲しい?寂しい?
 ホタルには、自分がどうしたいのか考え、行動するだけの知識はあっても、経験がなかった。
 と、リーダーのような彼がホタルのほうを振り返った。他の仲間達は笑いあいながら空き地へと向かっていった。気づいた者はいない。気づいていても、気づかないふり。
「お前も一緒に遊ぶか?」
もう一度、夢の世界に戻ったような気分。
 差し出された彼の手が、信じられないくらい幸せなものに見えた。
 「うん!」
こんなに幸せな気持ちになったのは、いったい何年ぶりだろう。
 心からのこんな笑顔、いつ以来だろう。
 こんなにも、外の世界が輝いてるなんて、思ってもみなかった。
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