Diamond devil 2
「何でしょうね。あんなに人だかりが出来てるなんて」
ノブも不思議そうに呟いた。
「よぉし、見に行こう!みんな、避けて避けて!通りまーす」
オハナの辞書には、「恥ずかしい」という文字はないらしい。
ミーハー根性丸出しで、先頭切って人垣を掻き分けて行く。
「ちょっと、オハナ!ハルも黙ってないで止めてよ!」
「無駄でしょ。だってオハナだもん」
それを言ったらおしまいでしょうが。
そうこうしているうちに、みるみる人垣が左右に分かれていく。
さすがオハナ。
私、オハナがモーゼに見えてきた。
「うわぁ、立派なベンツ…」
その先にあったのは、黒塗りの超高級車だった。
そして、その高級車の前には、まるで付属品のような華奢で可憐で儚げな美少女が1人。
ワンレングスの長いストレートロングの髪。
黒いリボンのカチューシャ。
長い睫毛と大きな目。
ちっちゃな顔は日焼けとは無縁そう。
挙げ句の果てに、着ているのは某有名お嬢様学校のセーラー服だ。