Diamond devil 2
「何あの子?何者?」
オハナがぽつりと呟いた。
でも、私はあの子のことを知っている。
「ハル、あの子って…」
「ああ、そうだな」
ハルが頷いたということは、間違いはないらしい。
その美少女は、私たち、否、ハルを見て、満面の笑みを浮かべると、こちらに駆け寄って来た。
「ハルお兄様、サクお姉様、お久し振りですわ!」
期待を裏切らない、ソプラノの可愛らしい声。
彼女の名前は、東若菜【ひがしわかな】。
ハルのいとこで、神竜組の分家のお嬢様。
普段は埼玉の方に住んでいるので、そんなに頻繁に顔を出したりはしないのだけれど、いったいどうしたんだろう。
「若菜、どうしたんだ?わざわざこんなところまで」
ハルが問うと、若菜ちゃんはにっこりと笑った。
「お二人をお待ちしてましたの。それでついでですし、お迎えに参りました」