Diamond devil 2
「若菜ちゃん、とりあえずここは目立つし、何か話があるなら車の中でにしない?」
私がそう提案すると、若菜ちゃんは大きく頷いた。
「そうですわね。私ったら気が回らなくてすみません。それではお車へどうぞ。お友達は、…どうなさいます?」
「あ、私たちのことは気になさらず。ね、ノブ」
「あ、はい!」
オハナはいつもの人懐っこい笑顔で若菜ちゃんに笑いかけると、ノブの腕を引っ張って私の側へ来た。
それから、耳元で囁くように言う。
「後でどういうことか、ちゃんと教えてよ?」
私が分かったと手で合図を送ると、軽く手を振って、ノブと2人、正門を出て行った。
「さ、ハルお兄様、サクお姉様、お車へ」
若菜ちゃんに促され、私とハルは顔を見合せ首を傾げながらも、ベンツへ乗り込んだ。
最後に若菜ちゃんも乗り込み、ドアが閉められる。
「向井、出して頂戴」
「かしこまりました」
向井と呼ばれた、若菜ちゃんのボディーガード兼運転手の青年が、静かに車を発車させた。