神様娘の憂鬱
「お、おじさん!俺も手伝いますよ」
「いや。その必要はないよ」
「「っ--」」
その言葉にピタッと珍しく慌てた翼の動きが止まる。
一瞬真顔になった父さんもすぐにいつもの能天気な笑顔に戻り、「晩御飯までには帰るから」と言って玄関の扉を閉めた。
「・・・で?どういうつもり?」
「ん~?」
父さんは楽しそうに車のシートベルトを締める。
「翼を置いて私のみに用があるなんて…いい予感はしないけど?」
いつもはどこに行くにしても有無なく翼も一緒に連れていくのに、それをわざわざ断るなんて・・・