芽吹く前に
寝坊をしてしまった。
目覚めたときには明るく部屋に昼の光が差し込んでいた。
(しまった・・・)
何故かとても期待していたものが無くなってしまったような寂しさに襲われたのである。
行くべき場所がまだある。
冷静になり、別にいつもと変わらないかと気を取り直した。
その日マコトは放課後になってから学校に行った。冬も近づきすでに空はオレンジに変わりかけていた。
学校に着くと自分の教室に向かう。
教室はもうすでに下校支度をしている生徒も無く、ケンタの姿もそこには無かった。
別の教室に行き、仲の良い友達がいるか見て回った。
そこには、長身のナオキがいた。
ナオキは顔も整っており、身長も高く女子からはモテるが、ナオキがからかうと、その体格にビビって言い返せない男子からはあまり評判が良くなかった。
マコトは入学した頃に、その性質の悪いからかいにあったが、変なスイッチが入ってしまい、すぐに殴り返していた。
その時は押さえつけられたのだったが、殴り返したことに対して、ナオキは怒りもせずにマコトとその後仲良くなった。
女子といたので邪魔はいけないかなと立ち去ろうとしていたが、ナオキはマコトの存在に気付き話しかけてきた。
「お〜マコト〜!
「ナオキー、ケンタ知らない?」
「今日見てない。それよりこっち来なよ。」
「何―?」
そう言いつつ、その話の輪に加わった。
ナオキのそばにいたのは、小学校の時同じ学校だった。ユキだった。
ユキもとても顔の整った顔をしているので、お似合いの二人といった感じだった。
「付き合ってんの?」
マコトがそう言うと、ナオキが「しらなかったの〜?結構前からじゃん。」という。
「いや、知らんかった。」
と言いつつ、だって最近あんま会ってないから聞く機会なかったじゃんとその返答の白々しさにあきれたのである。